シマノから発売されているスタンダートクラスのベイトリール、「スコーピオン」
1990年代の後半、私がバスフィッシングを始めた中学生の頃、釣具店の店頭でワインレッドに輝くかっこいいリールがありました。
当時のお小遣い程度では購入することができず、ただただ憧れの存在でしかありませんでした。
憧れを抱いていた中学生の頃から20年超、その間にリールも進化を続けています。
社会人となり、それなりに好きなことにお金を使える現在では、主に瀬田川釣行でのおかっぱり用にスコーピオンDC150のノーマルギア、琵琶湖南湖でのヘビキャロや1オンス程度のメタルバイブ用にXGモデルを使用しています。
実際に魚も釣っていますので、インプレをお届けします。
スペック
・自重: 215グラム(XGモデルは225グラム)
・ギア比:ノーマルギア(6.2:1) ハイギア(7.4:1) エクストラハイギア(8.5:1)
・ボールベアリング:7 ローラーベアリング:1
・ハンドル長さ:42mm (エクストラハイギアモデルは45mm)
・糸巻量:16ポンド 100メートル
・定価:37,500円
私は釣具量販店で購入しましたが、実売価格は25,000円~27,000円前後のところが多そうです。
ギア比違いで、3種類が展開されており、それぞれ右巻き、左巻きがラインナップされています。
この中でも特に違いがあるのがエクストラハイギアのモデル。
自重が225グラムと、他のギア比のものに比べて10グラム重くなっています。
下の写真の通り、エクストラハイギアモデルの方がハンドルが少し長くなっており、グリップも力を込めて握ることができるように、パワーグリップが採用されています。
写真左がエクストラハイギアモデル、明らかにグリップの大きさが違います。
個人的にはどちらのハンドルも気に入ってます。このあたりは使う人の好みが分かれそうです。
デザイン 特徴
DCブレーキ搭載の機種になりますので、伝統のワインレッドではなく、落ち着いたシルバーのカラーリング。
どこか16メタニウムのような質感を放っています。
どんなロッドに合わせてもかっこよく決まるデザイン。
シマノのリールはダイワやアブに比べて縦長のイメージがあり、手が小さい人にとってはパーミングしにくいものが多いのですが、近年のものはパーミングもしやすくなってきています。
少なくとも所有していた16メタニウムやクロナークよりも、サムレストの位置が手前になっていますので、パーミングはしやすくなっています。同じシマノのロッドにセットすると親和性も高く、違和感もなし。
ブレーキシステム↓
内部ダイヤルでラインの種類を選択、PE(P)、ナイロン(N)、フロロ(F)、残りは外部の5段階のダイアルでブレーキセッティングを行います。
この白い矢印を合わせるのですが、この矢印の質感が低く、動かしにくくなっています。
この点は実釣には影響ありませんが、今後改善を期待します。
外部ダイアルは操作しやすく、直感的にブレーキセッティングを行うことができます。
スプールは側面にもブランキングが施された34㎜径MGLスプール。
34㎜径、幅が25㎜となっています。34㎜径のスプールに対して幅が25㎜となっているリールはおそらく他になく、メリットとしては遠投した際の糸の目減りが少なくなる、デメリットとしては立ち上がりが悪くなる、レベルワインドの抵抗が大きくなり飛距離に影響が出る点があります。
DCブレーキのため、スプール重量は約18グラムとなっています。単純なマグネットや遠心ブレーキ機構のものに比べるとやはりスプールの重さは気になります。
20ポンドのナイロンライン(カーボナイロンですが限りなくナイロン寄りのライン)を75メートル巻いて、上記のような感じ。
16ポンド100メートルの糸巻き量は、太いラインをメインにした釣りの場合、絶妙に使いやすい。
使用感
実際のフィールドでは、ノーマルギアのものにはナイロンラインの16ポンド~20ポンドを巻いてマキモノに使用。
エクストラハイギアのものにはフロロの14ポンドを多めに巻いて1オンス以上のヘビキャロやヘビーウェイトのメタルバイブやバイブレーションに使用しています。
特によかったのは、クランクベイトやバイブレーション、スピナーベイト等のマキモノ全般での使用感です。
外部ブレーキは3にしておけばバックラッシュは皆無、サミングも不要です。
2にすると突然の風向きの変化などがあるとバックラッシュしそうなこともありますが、サミングで対応可能。
シビアな状況でなければ3か2でほぼすべてのシチュエーションに対応可能です。
ロープロファイルのリールですが、マイクロモジュールギアが搭載されており、巻き感は抜群。
7グラム以上のルアーであれば、オーバーヘッドキャストの遠投から、近距離のピッチングまで、難なくこなします。
スプール重量がそれなりにあるので、フロロよりは比重の軽いナイロンラインを巻き、10グラム以上のルアーを遠投するシチュエーションが一番気持ちよい!
バイブレーション等を広範囲にキャストし、巻いてくる釣りには一番しっくりきます。
瀬田川にて、10グラム程度のクランクベイトでヒットした魚です。16ポンドのナイロンラインを100メートル巻いたものですが、レスポンスは悪くありません。
巻き感は非常にスムーズで、昔から定評がある、安心できる巻き心地、寿命も長そうです。
マイクロモジュールギアが搭載されていることに加えて、メインフレームはメタルボディ。
剛性感も十分に感じることができ、抵抗の大きいクランクベイト等も力強く巻いてくることができます。
ヘビキャロにはエクストラハイギアモデル、14ポンドのフロロラインを100メートル巻いて使用。
16ポンドが100メートル巻けるラインキャパも絶妙で、ヘビキャロ等の遠投ものにも使いやすくなっています。
1オンス程度のヘビキャロであれば外部ブレーキは1でもバックラッシュせず、十分な飛距離を確保できます。
ただ、琵琶湖の浜等で、ヘビキャロがほぼメインの釣りをする人にとっては、アンタレスDCの方がよいのは目に見えています。
私はメインの釣りがヘビキャロではないため、スコーピオンにしています。
もし年中ヘビキャロメインの釣りしかしないのであれば、ダイワのハイパーロングキャストシリーズやアンタレスDCを購入します。
まとめ(こんな人にオススメ)
・10グラム以上のマキモノの釣り用にリールを探している人
スプール幅が25㎜となっており、遠投した先から巻いてくる時でもラインの巻量の変化が少なく、安定して自身の思ったラインをトレースしてくることができます。
・マキモノ中心の釣りをする人で、毎回のキャストのサミング調整や風の影響を気にせず、釣りそのものに集中したい人。
DCブレーキの安定感は抜群で、毎キャストごとに風の影響なんかを気にせず、サミングも不要で、思い切りキャストをし続けることができます。
変に気を使わなくて済む分、釣りに集中することができます。
耐久性についてはまだまだこれから使い込む中でしか分かりませんが、シマノの耐久性には定評があります、オイル注油くらいで長い間使えることは想像に難くありません。
アンタレス1台分の値段で2台購入ができますので、様々なシチュエーションでDCリールを使い分けたい人にもオススメです。
逆に、ピッチング中心の釣りや、10グラムのルアーを中心に釣りを展開する人にとってはレスポンスもよいとは言えず、リール重量も含めて合わないものとなります。
リール購入を検討している人に、少しでも参考になれば嬉しいです。